私たちの失敗談

バス運転士の仕事は、決して良いことばかりではありません。多くの命を預かる責任があるからこそ、失敗した時の落ち込みや緊張感は大きなものです。

しかし、神田交通には失敗を隠さず、みんなの教訓として共有し、次に活かす文化があります。

完璧な運転士なんていません。ここに紹介するのは、今では前を向いてハンドルを握る先輩たちが、かつて通り抜けてきたリアルな壁の記録です。

運行・ルートの失敗:思い込みが招いた遠回り

最初は誰もが「道の引き出し」が少ない状態からスタート

高速道路の入り口を間違えた

「次はここだ」という思い込みで、予定していた高速の入り口を通り過ぎてしまいました。それ以来、地図での事前確認を徹底し、複数台での運行(号車運行)の際は、ただ後ろを走るだけでなく、曲がる場所や入り口を事前に必ず聞き、確認し合うようになりました。

似た名前のお寺を間違えた

平塚市内の葬儀送迎で、目的地と一文字違いの別のお寺へ向かってしまいました。到着後に間違いが発覚し、30分遅れで到着。お客様とご住職に深く謝罪し、会社へも報告しました。この経験から、名前の似た目的地は住所まで細かく再確認することを肝に銘じています。

GWの渋滞予測を見誤った

ゴールデンウィーク中に混雑したサービスエリアに入ってしまい、身動きが取れなくなりました。休日のパーキングエリアは、本線が渋滞しているなら入らない、あるいは手前で済ませる。お客様の状況を見ながら判断する重要性を学びました。

運転技術・安全の失敗:慣れと焦りが招く危険

「もう大丈夫」と思った時こそ、危険は潜んでいる

ハンドル操作の過信

「一度の切り返しで行けるだろう」という甘い判断で無理をして、ヒヤリとしたことがあります。それ以来、迷ったら「まず止まる、降りて確認する、無理せず切り返す」を徹底しています。落ち込みましたが、先輩たちのアドバイスと励ましがあったから、また前を向くことができました。

前のバスに付いていくのに必死で…

2号車以降を走る際、前のバスを見失わないようにと意識しすぎ、車間距離が詰まって信号の変化を見落としそうになったことが何度かありました。事故には至りませんでしたが、追突や死角のリスクを痛感し、今は何より車間距離を確保することを最優先しています。

判断と連携の失敗:一人で背負い込んだ代償

「仲間」がいることを忘れた時、失敗は起こる

二本立ての仕事で焦り、クレームに

1本目の仕事が渋滞で遅れ、「次の配車に間に合わせなきゃ」と一人で焦り、飛ばし気味の運転をしてしまいました。結果、お客様から「運転が荒い」とクレームをいただき、結局2本目の配車にも遅れて平謝りすることに。無理だと思ったら早めに運行管理に相談し、指示を仰ぐ。自分一人で解決しようとしない。この教訓は今も胸に刻んでいます。

羽田空港での配車時間の認識相違

「お客様から電話が来てからロビーに向かう」という手順を守って待機していましたが、実際にはお客様をロビーでお待たせしてしまい、厳しいお叱りを受けました。たとえ行程表通りであっても、現場の状況を先読みして確認する大切さを学び、それ以来、より細かな事前確認を欠かしません。

自己管理の失敗:プロとしての体調維持

運転席は一人きりの空間だからこその難しさもある

大好きなラーメンが招いたヒヤ汗

地方観光の昼食で大好きなラーメンを食べたのですが、運転中に激しい腹痛に襲われました。トイレもなく、お客様を乗せて我慢しながらの運転は本当に辛い経験でした。それ以来、業務中の食事には細心の注意を払い、食べ過ぎや体に合わないものを避けるようになりました。

生活リズムの変化

運行内容によって朝が早かったり夜が遅かったりと不規則なため、最初は体調管理に苦労しました。翌朝が早い時は休みの日でも早寝を意識するなど、自己管理もプロの大切な仕事だと実感しています。

失敗しても、支えてくれる仲間がいる

神田交通には、道に迷えば「このルートがいいよ」と教え合う班長や先輩がいます。車両の不安をすぐに相談できる関連会社(井上自動車)もあります。

私たちは、「できないこと」や「失敗したこと」を責めるのではなく、「どうすれば次は安全に走れるか?」を一緒に考えます。

失敗を隠さず、みんなの教訓として共有し、次に活かす文化を大切に。
先輩たちは、こうした経験を積み重ねて、一人前のバス運転士になっていきます。